永き日のにはとり 柵を越えにけり

2023.08.21 22:55

永き日のにはとり 柵を越えにけり

俳句はそこまで詳しくありませんが、

昔からずっと好きだった句があります

 

 

永き日のにはとり 柵を越えにけり

(芝不器男)

 

 

芝不器男さんの一句なのですが、

僕はこの句が好きで、落ち込んだ時などに頭の中に浮かんできます

 

『永き日』というのは、春の季語

春の暖かくて、のんびりした日差しが差し込む中、

どこかの農家や庭先の、一匹のニワトリが柵を越えた、というだけの句

 

僕がこの句から受ける印象や、この句が好きな理由を書きます✏️

​​​​​​​

 

冬が明けて春になって、

日が差す時間が長くなった

 

日が長くなって、体感的には時間が引き伸ばされたような感じがする

時間が重くなったようにも、停滞しているようにも感じられる

穏やかで退屈な日

 

その瞬間、一匹のにはとりが柵を越えた

 

永遠に続くかのような時間が打ち破られて、

新しく時間が動き出した

 

説明下手ですが、こんな感じです🙇‍♂️

 

どんなに頑張って努力を重ねても、

ずっとこのままなのかな

同じ柵の中に閉じ込められたままなのかな

と思うことがたまにあって、

そうやって悩んでいる時にこの句が浮かんでくると、元気を貰えます

 

悲しいことがあると、

その瞬間に時間が止まって、

柵の中に閉じ込められる

 

悲しむだけ悲しんだ後は柵から出て

時間を動かしてもいいんじゃないかな

そんな風に背中を押してもらえる

 

僕は小説のみならず文学、芸術全般が好きなんですが、

それはただ綺麗とか美しいだけではなくて、

生きる勇気や元気を貰えるからです

 

皆様の元気が出るものも、良かったらいつか教えてください☺️