桜だより

2026.04.17 16:31

桜だより

桜が散ったあとの道は、どこか静か。

 

あれほど人を惹きつけていた色は消えて、

足元には薄い花びらの名残だけが残る。

 

踏みしめるたびに、かすかな音がして、

季節がひとつ終わったことを教えてくる。

 

 

満開のときには気づかなかったけれど、

散ったあとのほうが、なぜか心に残るよね。

 

華やかさではなく、余韻のほうに、

人は本音を重ねるのかも。

 

大人になると、何かが終わることに、

いちいち立ち止まらなくなる。

そんな暇もない。

 

けれど本当は、こうして少しだけ振り返る時間が必要で

次に進むための余白になるんだと思う。

 

散った後の道路では

風が吹くたびに、残った花びらがまた舞い上がる。

 

それを見て、少しだけ安心もする。

 

終わりは、きっぱりと線を引くものじゃない。

 


余韻を楽しみながらこうして、ゆっくりと、

自分の中に溶けていくものなんだろうなって。